「雨が通る頃」 カタツムリは眠りからとけ 雲は姿をたちまち透かす おまえはありもしない虹を見ては 何食わぬ顔で明日にむかうことだろう 憂鬱は空に達し そうやって そうやって 私は存在をなくしていく 蛙は笑い 傘をさした子が一人線路で遊んでいる 私は窓越しからすべてを吸収し 聞こえのいい雨音は耳へ通じていく 高らかに その音は響きを増して 萎びた声を含んでどこまでもどこまでも